【教員の研究成果】小脳の視覚―前庭統合への関与を解明する研究成果が国際誌に掲載 小脳が視覚―前庭統合に果たす役割を明らかに ― 国際誌『eNeuro』に研究論文を発表 ―

  • 2025/08/01
  • リハビリテーション学部

本学リハビリテーション学部 理学療法学専攻の松木明好 教授は、追手門学院大学の谷恵介 先生をはじめとする国内の研究者らと共同で、小脳が重力方向の知覚における視覚―前庭統合に果たす役割を検討した研究成果を、神経科学分野の国際誌『eNeuro』(IF:2.7)に発表しました。
本研究は、健常成人を対象に、小脳虫部への反復経頭蓋磁気刺激(repetitive transcranial magnetic stimulation: rTMS)を実施し、視覚刺激による重力方向知覚の偏倚(主観的垂直知覚:SVV)への影響を検証したものです。その結果、小脳虫部への1Hz rTMSにより、回転視覚刺激による垂直知覚の偏倚が有意に減少することが示され、小脳虫部が視覚―前庭統合に直接関与している可能性が示唆されました。この効果は、視覚野や小脳半球への刺激では認められず、小脳虫部特有の役割が示された重要な知見です。
本成果は、ヒトにおける空間定位機能の神経基盤解明に貢献するものであり、神経疾患に伴う平衡障害や方向感覚障害の新たなリハビリテーション戦略の構築につながることが期待されます。

◆ 論文タイトル
Cerebellum involvement in visuo-vestibular interaction for the perception of gravitational direction: a repetitive transcranial magnetic stimulation study
◆ 掲載誌
eNeuro(米国神経科学会発行)、2025年

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